このレビューはネタバレを含みます
作品テーマに沿った編集クオリティに驚かされる作品。
“もうひとりの未麻”が、鏡面や画面という『境界』をすり抜けて出てきたことを皮切りに、『現実と夢』が未麻の中で混乱し始める。
その一連のシーンはよく思いつくなぁというくらい見応えあった。
自分が生きてるのか、自分が生きてる世界が本物か分からなくなり始め、憔悴しきったある時に、『自分の記憶』と『今見えている現実』との差異に気づいた瞬間、全ての元凶が明かされる。
ラストで車のバックミラーを覗きながら“自己”を正しく認識するシーンでは、当たり前だが鏡越しにずっと見えていた“もうひとりの未麻”はいない。
曖昧になっていた『自己と他者』『夢と現実』の境界を取り戻したことを印象づけるワンシーン。
シナリオも決してチープではなくて、めっちゃダメな表現になるかもだけど、「映像編集技術のすごいコナン映画」観てる気分だった
今敏監督、すごいです。