Newman

ケイン号の叛乱のNewmanのレビュー・感想・評価

ケイン号の叛乱(1954年製作の映画)
3.5
叛乱というから水兵が士官に対して叛乱を犯す話と思って観ていたのですが、おとなしい叛乱でした。「カサブランカ」のハンフリー・ボガートですからカッコいい役しかやらないのかと思っていましたがこんなポンコツ艦長の役をやるなんてびっくりしました。古い話になってしまいましたが、日航機の逆噴射事故を想い出しました。この映画の中では戦時中です。確かに戦時中ならいつだって亡くなることはあるわけだけど命令者がおかしくなって殺されてしまうのは堪らない。きっと映画と同様のことは戦争中はどこの国でも起きていたんだろうなと思う。あれだけ自分の命令に固執した艦長が、さらにその命令の結果うまく結果が出せないときには部下の失態だと言い出す、これでは叛乱も起きようというものです。さらに上官の命令に従わないというのは軍隊では重罪でしょうから。戦争に負けたからというだけではない日本の昭和の軍隊のひどさまで考えてしまいました。最後が気に入りませんでした。叛乱を起こした副艦長の弁護をしている立場上、艦長を守れなかったが非常に気分の悪いものだったと言わせているがその気持ちが理解できなかった。事件の細部まで分かっていると思える弁護人の発言とは思えませんでした。日本の戦前の軍隊だったらどうなっていたのだろうか?後ろからの一発の銃声でお終いになるのだろうか?正しい処置と手続きの軍法会議に望んでも適切な判断が下せる軍隊であったとはとても思えない。残念なことだ。そして、現在の国会、自衛隊、会社、学校にも同じことが言えるような気がする。
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