実家に帰れない寂しさを紛らわすシリーズ その2
これは、ええもん見せてもらいましたなぁ。。
東宝50周年記念に、かの谷崎潤一郎先生の同名小説「細雪」を市川崑監督が映画化した作品。(何作か公開されているがこちらは1983年版)
大阪は船場の老舗商家のやんわりした言葉も素敵やったし、四姉妹がそれぞれ魅力的で。。
原作未読だけれど、谷崎先生の世界観はちゃんと再現できていたような気はする。
さすが女性のことを知り尽くした谷崎先生らしく、キャラクターの作り込みに無理がない。
あらすじを読んだら、映画化にあたって端折られているエピソードも多々あったが、大方イメージは損ねてないのではないかな。
本家を継いだ身として一番昔のしきたりを重んじる長女の鶴子(岸恵子)、仕切り屋で人情にも厚い次女の幸子(佐久間良子)、はっきりしないように見えて芯が強く心優しい三女の雪子(吉永小百合)、職業婦人で自由奔放のようだが実は甘えん坊の四女の妙子(古手川祐子)。
キャストが上手くハマっていて、船場言葉も違和感なく、姉妹のやりとりがいちいち楽しい。
何より、なんだかんだ言いつつお互いを思いやりあっている姉妹達の姿が愛おしい。
鶴子の夫役に今は亡き伊丹十三、幸子の夫役に石坂浩二、雪子の元華族のお見合い相手(笑)に江本孟紀、妙子の恋人役に岸部一徳、、など男性陣も豪華。
お見合いの仲人夫人の娘役に仙道敦子!
ロケ地の京都や関西方面の四季折々の風景も実に美しく、特に桜と雪が印象的。
コクトーを意識したような実験的手法?赤や緑を強調したカットなんかも、斬新である。
(音楽は、80年代特有のシンセサイザー?のありきたりな感じだったけど…)
衣装だけで1億5000万ほどかかっていると
特典映像にあったが、絢爛豪華なお着物の数々。。
それら全てをわざわざ白い布から染めて作ったという。贅沢の極み!
敢えて、着物のコートの裏の紋や帯の柄をバチッと映すベタな演出。。でも、そこが見せ所でもある笑
美しさだけでなく、仕草にもうっとりと見惚れてしまう女優陣、選りすぐりの綺麗な着物、風光明媚な景色…これが目の保養でなくて何であろう!!
鶴子が幸子に着付けてもらって帯を結ぶシーンは大笑いだし、幸子の首筋に粉をはたくシーン、雪子の爪切りのシーン、妙子の入浴シーンなどドキッとする演出も。。
とにかく、二時間と少したっぷりと華やかな美しい世界を堪能した。
ここから時代は更に暗い戦争の影が差し、羽振りが良かった商家もどんどん傾いていくのだけれど、その最後の煌めきを見事に描き切っているのではないかな。
最後、大阪を離れて東京に行ってしまう鶴子姉さんが言うセリフ、
"今年の春は、家族皆でお花見できへんなぁ。。"を聞いたらもう涙腺が〜
自分とちょっぴり重ねて泣いてたら、夫が横から"おや、あなた方と同じ美人四姉妹のお話ですか?"とニヤニヤしながら聞いてきた💦
もう!
ええとこやのに、邪魔せんといて、しょうもないな!
今作とうちの姉妹はまた全然違うけど、それぞれ個性的であるのは同じかな。
ああ、四姉妹で良かった!って改めて思った♪
いつもありがとうね❗️
早く皆に会いたいなぁ。。
会って、いっぱい喋りたい!!