ミズガメ

いつものようにのミズガメのレビュー・感想・評価

いつものように(1997年製作の映画)
5.0
6月某日、シンガーソングライター/俳優 前野健太さんのおすすめ青春映画を鑑賞後、前野さんの生ライブも観るという凄い現場に私はいた。
「いつものように」は以前、前野さんの公式サイトの日記の中で知った映画だが、その現場で初めて観ることが出来た。
冒頭から2人の青年の会話。めがねくんは妙に落ち着いた面持ちで会話をしている印象だった。お調子者の友人は変なことをしても許してしまいそうな顔をしていた。沖縄出身の女の子はとてもきれいでかわいらしい話し方だった。
凄くつっこみたくなるゆるゆるした男女の会話が面白かった。
前野さんも言っていたが、映画を撮っている、役者を撮している人達の気配を感じる映画で、けんもち聡監督がこの日の為に貸してくれたという16mmフィルムがまわる背後の映写機の音と共に観る映画は格別だった。映画の中の色、空気が凄く好きだった。映画が終わり腕時計を見たらもうそんなに経ったの?と驚く。長いけど短い118分という映像の中に確かに三人の青春を感じた。

ふと、この三人は今はどうしているだろうと検索したら最近の彼らはとても大人の顔をしていて でも面影はあって、知り合いでもなんでもないのになんだかほっとした。


ラストシーンもとてもよかった。

BEGINの曲もめちゃめちゃにいい。


余談だが、映画鑑賞のあとの前野健太さんのライブはエネルギーが満ちていて、最後の方で16mmフィルムを映していた映写機の光を僕に向けるようにと、その場で演出する前野さん。映写機に照らされ歌をうたう前野さんは、まるで映画の中から間違って出てきてしまった男のようで、なんともいえない異彩を放っていた

前野さんの昔活動していたバンドの曲「I do」の歌詞の中にも“いつものように”とある。どうやらこの曲を今やってくれることはとてもレアなことらしい。貴重な歌を聴けてよかった。
リクエストタイムで「だれかの」をリクエストしたかったが緊張で声がどこかへ、、、。帰り道に口ずさむことしかできなかった。
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