ポンコツ娘萌え萌え同盟

乗合馬車のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

乗合馬車(1921年製作の映画)
3.8
雄大で穏やかな…そんな田舎に何事も起こらないはずがなく、突然やってきた悪漢によって引き起こされたキネモン一家の不幸の中で、まだまだ半人前の青年デヴィッド(演:バーセルメス)の心情を描いてるのが印象的だった。
それにこの手の物語だと復讐が試練となるのがベターなのだけど、本作はそうではないということも。

まだまだ未熟な青年という観点から強く表現されたのは、やはり中盤にキネモン一家に訪れた不幸の場面。あの家の中のデヴィッドの立ち位置とバーセルメスの演技にあるのだろう。
あの場面なんというか何もできないような感じから、彼の心情も含めて。
そしてその後の行動からハットバーン家を完全に拒絶したのも含めて。

ただ、ズボンがないから樽で下半身隠したりニジマス釣ったり、夢である乗合馬車を妄想したりして序盤あたりはコミカル要素もあってあんなかわいいかったデヴィッドくんが、
あんなも動けなさそうなくらいズタボロになってまでも使命を全うする彼の姿と成長に感動してしまった。