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プレタポルテのbluetokyoのレビュー・感想・評価

プレタポルテ(1994年製作の映画)
3.7
群像劇の野心作。スコアが低すぎるような気もするが、騙されたと思ってみてみると面白いかも。最後のオチが、ファッションモデルがすっぽんぽんで出てくるというのが、まあ、奇をてらい過ぎているというかありがちというか、なくてもよかったような気もする。マストロヤンニが、狂言回しとして、あちこちに出没するが、結局、なんだったのかわからない。イヌのウンコがあちこちにあるのも、華やかなファッションの世界の裏側的な感じなのだろうか。

怪しげな仕立て屋のセルゲイがパリに現れる。なぜか、プレタポルテ会長のオリヴィエとこっそり会うわけだが、オリヴィエは、サンドイッチを喉につまらせて、あえなく死亡。セルゲイは、なぜか、あわてて、その場を立ち去り、騒ぎが大きくなると、セーヌ川にダイブして、その場を脱出する。

川から上がったセルゲイは、雑誌記者のジョーの荷物をかっぱらう。
それが原因か不明だが、ジョーは、別の雑誌記者のアンと、泊まる部屋が同じになってしまい、アンと喧嘩になる。

有名ファッション雑誌の編集者たちや、有名カメラマンや、ブーツのメーカーやらが、プレタポルテということで、パリにやってくる。

オリヴィエの遺体がある遺体安置所で、妻のイザベラと愛人のシモーヌが出くわす。

実は、セルゲイとイザベラは、40年前に結婚していたらしい。ひまわりみたいだが。それで、セルゲイは、オリヴィエに会いに来たのかな。

セルゲイとイザベラは二人で会うが、セルゲイは疲れたのか、ベッドで寝入ってしまう。
セルゲイが公園のベンチで寝ていると、そばをオリヴィエの葬儀の列が通る。すると、セルゲイは、起き上がって、葬列の最後に付いて行く。
最初から喪服を着ていたから、参加するつもりだったのかな。

ほかにも、さまざまなエピソードが断片的に連なっていく。

ジョーとアンのエピソードでは、結局、終始、プレタポルテをテレビでしか見ないのだが、それもありかなとはお思う。テレビの画面に、セルゲイが映り込むのだが、盗んだジョーのジャケットを着ていたりする。

それぞれのエピソードが、絡み合うということはなく、プレタポルテというファッションショーの引き起こす、世の中の騒動の一つとして、その騒動に呑み込まれていく。
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