喧嘩の美点は仲直りができること

プラトーンの喧嘩の美点は仲直りができることのレビュー・感想・評価

プラトーン(1986年製作の映画)
5.0
徹底したリアリティで陰惨な戦場を描いた映画です。反戦がテーマですが、さらに踏み込んで人の持つ逃れ難い業が描かれます。
バーンズとエリアスという人物が人間の二面性を象徴しています。主人公は清廉なエリアスを尊敬しながらも、バーンズのような熱狂に引き込まれていきます。戦時に限らず私達は、誰かを大切に思う気持ちから他を恨みます。本作はそこを起点とした残虐性が最大限に描かれます。
両者の間で引き裂かれ続けることとなる主人公の苦悩は、誰もが持つ普遍的な意識だと感じました。
「言い訳を探しながら戦っている」という象徴的な台詞があります。〝言い訳を見つけられた〟このことが、本作で描かれたような狂気の円環の中に埋没していく一因ではないのかと思います。