すずき

レッド・スコルピオンのすずきのレビュー・感想・評価

レッド・スコルピオン(1988年製作の映画)
3.2
ソ連の特殊部隊スペツナズのニコライは、単身、アフリカの同盟国モンバカ国に赴任される。
モンバカにはソ連とキューバが治安維持・軍事支援という形で、現地で好き放題暴れている。
ニコライには、彼らに反抗するパルチザンのリーダー・スンダタを暗殺するよう極秘任務があった。
スンダタに近づく為、まずは獄中にいるスンダタの右腕・カルンダに近づき、彼の脱獄を手伝い、信頼を得る事に成功する。
彼らはスンダタの隠れ場所へと向かうが、その旅の中でニコライは任務に疑問を持つようになる…

ドルフ・ラングレン主演のアクション作品。
単身、敵の指導者を暗殺に行く、というストーリーは「地獄の黙示録」を彷彿とさせるが、作品の内容は全然違う。
社会風刺…というか、ソ連批判のメッセージが直接的に描かれており、冷戦時代のアメリカのプロパガンダ臭が強過ぎる。
他国に軍隊送って好き放題…なんて、アメリカのやってる事そのもので、「お前が言うな!」とツッコミたくなるテーマだ。
これは逆に高度な自虐皮肉なのか…?

中盤からは、祖国からも見捨てられ死にかけのラングレンが、原始的な生活を営むブッシュマンの一族に拾われ、ウルルン滞在記な展開に。
ホットパンツにタンクトップの、超セクシーなラングレンも楽しめるぞ!

ブッシュマン以外の現地民の人達も、いかにも理想的で自由と平和を愛する素朴な村のように描かれ、ソ連軍は悪虐非道の悪魔のように描かれる。
後半はそんな人々を守る為、パルチザンと共に悪のソ連・キューバ軍と戦い、民衆の自由を取り戻す勧善懲悪の展開。テーマが浅い!