Shun

グエムル -漢江の怪物-のShunのネタバレレビュー・内容・結末

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督×ソン・ガンホがタッグを組んだパニック映画。

漢江に垂れ流された化学物質によって突然変異した怪物に娘を奪われた父親カンドゥと彼の父、弟、妹ら一家の怪物との闘いを通して、まともに相手にしてくれない国家や川を汚染して怪物誕生の原因を作った米国を批判する社会風刺作品。

怪物のCGが粗くてB級感が漂うのは残念に思えてならないけど、弱者が権力者に立ち向かう構図は『パラサイト 半地下の家族』や『スノーピアサー』にも共通していて、監督お得意のジョークが炸裂してるので、やはり単なるパニックものではないことは確か。

序盤はシリアスですが、中盤からはコメディ要素も所々見えてくるので、そのつもりで鑑賞した方がギャップにやられずに済むのかなと思います。

肝心の怪物はというと、あまり凶暴性を感じなかったです。
次々とその場で人を捕食するわけではなく、一旦住処の下水道に持ち帰る習性があるので、米国を風刺する内容ならもっと攻めたキャラクターの方がより伝わりやすかったのではと思いました。

ぺ・ドゥナ演じるカンドゥの妹がアーチェリー選手で矢を放つんですが、これがなかなかキマらない。
実際のところ、いざそんな場面に出くわしたらそんな上手いこといかないでしょうが、かっこよく描きすぎないところも監督のこだわり何でしょうか?

ラストも監督らしい結末で、想像通りのラストでは幕を閉じさせない、あの何とも言えない余韻を残してくれるところがポン・ジュノ監督らしいなと思いました。
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