まんぼ

独裁者のまんぼのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
5.0
私はコメディ映画ならば90分程度でサクッと終わらせてほしい、終わらせるべきだと思っている人間なのですが、、、本作はコメディタッチでケタケタ笑えるようなユーモア満載でありながら126分。しかしながら観た後に大納得して、なんならチャップリンと直接握手したいくらいには「この作品は90分にはまとめられるわけがない。」「120分は必要だよね」と思ってしまった。
たっぷりと贅沢に時間を使っているのは全て最後6分の演説のために。

反戦争を訴える方法はいくらでもあるのに、わざわざ演説を選ぶあたり。演説の天才と呼ばれその演説という武器で大衆を惹きつけ支持を拡大させたヒトラーへの見事な、真っ向からのアンチテーゼだと思う。カウンターパンチのように皮肉っててとても気持ちがいい。「その素晴らしい演説力は違う方向に使えばこんなにも世界が変わったかもしれないのに」というチャップリンの強い思いを感じる。

チャップリンは現代の世界情勢を見て、果たして喜ぶだろうか、、、。
今こそ改めてみんなに観てほしい作品。
まんぼ

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