ジミーT

シックス・センスのジミーTのネタバレレビュー・内容・結末

シックス・センス(1999年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

映画史上最大の一発芸映画でしょう。しかもその一発ネタ自体は 〜語弊がある言い方ですが〜 誰もが思いつきそうなことなんですけど、あえてそれで勝負に出た。もう、最初から最後まで全て仕組まれたミスディレクション。製作者は命懸けだったと思います。本当に命取りになりかねないことをやっている。

潜水艇で深海におりてゆく。これ以上降下したら水圧で艇は木っ端微塵になるという深度まで。まだいける。もう2m降下。艇体が軋む。あと1m。あと10㎝。艇は大きく軋む。限界だ!

というような例えで言うと、あのレストランのシーンはまさに「あと10㎝。艇は大きく軋む。限界だ!」という地点だったと思います。そしてラストは急速に浮上することによる幻惑。
ミステリ小説に於ける叙述トリックの最上級の凄み。製作者に「そりゃあんた、勘違いした自分がいけないんだよ。」と言われた感がしたものです。

一発芸映画の面白さは、その一発により価値が逆転してしまい、新たな世界が見えることですが、ここまで鮮やかな逆転と感動を呼ぶ映画も稀でしょう。それまで冷え切った夫婦関係と思っていたのが、強い愛情と哀切極まる夫婦関係だったということがわかるのですから・・・。
おなじ一発でも、明るく楽しい一発芸だったあの詐欺師映画や、ちょっと考えオチ的容疑者映画とは異なり、どストレートにして暗く悲しい一発でした。💯

追伸1
一発芸の後の回想シーンも「観客への説明」ではなく、「主人公が思い返している」という描写になっており、しかも極力短く抑えられているのであまり気になりませんでした。

追伸2
ネタバレ注意⚠️はかけましたが、それでもやはりストレートに書くのは控えさせて頂きました。
ジミーT

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