メル

Dear フランキーのメルのレビュー・感想・評価

Dear フランキー(2004年製作の映画)
4.1
勝手に観たつもりになっていたけど初めての作品だった🤭

夫の暴力から逃げるため難聴の9歳のフランキーを連れて家を転々とする母親。
フランキーには父親は船乗りで世界中を回っていると嘘を言い、フランキーが書いた父親宛の手紙には母親がこっそり返事を書いていた。
そんなある日…。

イギリスらしいしっとりとした味わいのある作品だった。

フランキーは引越しばかりで友達もなく、外遊びもしないで本を読んで過ごすのでとても賢い子どもだ。
読唇術も身に付いていて周囲の人たちの感情も理解できる。

母は息子のためを思ってずっと嘘を重ねてきたけど、そんな母の嘘を賢いフランキーが見抜けない訳がないのだ。

周囲の大人たちはフランキーのために嘘を演じ、フランキーは母を安心させる為にその嘘に気付かない振りをしたのだろう。

ジェラルド・バトラーの無骨ながら優しいストレンジャーがとても良い(若い頃の高倉健さんみたい😃)。
喋ったことの無いフランキーが「また戻ってくる?」と声に出すシーンに、このストレンジャーとならフランキーも話せるようになるかも…という希望を感じさせる。

結論めいた提示は無いけど母と息子とストレンジャーのぼんやりとした未来が見えてくるのが良い。

フランキー役の子がとても素晴らしかったのと、エミリー・モーティマーの魅力はあのハスキーヴォイスだと確信した。
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