ジェラルド・バトラーが、いっさい殺気だってなく、
自然体で、素敵でうろたえた。
エミリー・モーティマーの演じる母親も、
息子への愛情と、
日々ギリギリに一生懸命生きてる様子が伝わってきて、
必死な時、人は頑なにもなるけど。
そこを
すーっと、感じとっていく男の優しさが
過不足なく描かれていて、良かった。
子役の子も、賢い眼差しが健気。
子供なりに、小さな我が王国を楽しみながら
作り上げていく子供部屋のシーンが、
この映画を作った人の
豊かな眼差しを感じて
心地よかった。
隠れた名作って思う。
DVを行う者の痛ましさと身勝手さと
そこに、おびえる者の苦悩と優しさと。
簡単に、善悪では片付けられない部分が
この世界を深い悲しみで覆い、せめぎ合うけれど。
子供は大人よりも、
柔軟にそこをヒョイって乗り越える力を持っていたりする。
それは、救いだ。