りっく

意外と死なないのりっくのネタバレレビュー・内容・結末

意外と死なない(1999年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

小学校教師の月子は、痛みに人一倍敏感だ。その歴史は古く、中学時代の性教育の授業に始まる。そのクセ、どこか他人に対しては暴力的な一面を持つ彼女は、できちゃった結婚を享受する同僚のマユ先生のことが気に入らない。腹を殴りつけてやろうかという衝動に駆られることも屡々。ところで、月子は現在、初体験の時にあまりの痛さに耐えかねて三角定規を首に差して怪我を負わせてしまった男にストーキングされている。傷跡を見せては月子に交際を迫る男。彼女は必死に男から逃げ回るが、ある日、自ら男を押し倒すのであった。

「性交」「出産」に伴う痛みや嫌悪感に苛まれた女性。その強迫観念的な言動や妄想はやや常軌を逸する部分はあるものの、そのギリギリ地に足がついている危うさ、サイコパスと型にはめるのを拒む人間としての魅力がデビュー作からすでに冴えを見せている大九明子監督の才気あふれた、まさに処女作。
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