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ドラキュラ血のしたたりの0000のレビュー・感想・評価

ドラキュラ血のしたたり(1971年製作の映画)
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これは超久々に見て、こんな最高に楽しい映画の良さに気づいてなかったかつての自分が阿保で間抜けで情けなくなった……。

アメリカ公開時のタイトルにも「ドラキュラ」と入ってるらしくて日本だけの看板に偽りありではないようなんだけどまあドラキュラは出てこなくて、でも非ドラキュラのヴァンパイア映画として非の打ちどころがない。いや中盤辺りで「それ台詞で処理する?」みたいなのとか変なところがいくつかあるけどそれを差し引いてもなお非の打ちどころがない。少女趣味っぽさのあるゴシックホラーでファンの求めるものが全部詰まってる感じ。

双子レイア姫みたいな双子も最高だし。
(昔見た時は明らかに70年代のギャルって感じのメイクとかで中世感台無しやんとか感じたけど今見るとそのキッチュさが逆にいい。)

ピーターカッシング劇場としても『狂ったメス』『フランケンシュタインの復讐』等に並ぶくらい最高にカッシングカッシングしてるし。(他の映画よりめちゃくちゃ悲しい泣きそうな目をずっとしてる。この時期に妻を亡くしてるっぽいのでそれが出てるのかもしれない。そして最高の死に芸。最高のふらつき方。)

マカロニウエスタン風の音楽もいいし。

ヒロインを助けるハンサムなヒーローポジションの人がルチオフルチ『ビヨンド』のおじさんの若い頃だし。

吸血鬼になるカルンシュタイン伯爵がクリストファーリーとかとは毛色が違う郷ひろみっぽい感じの若い色男なのもいいし。

単純に吸血鬼という悪とそれに立ち向かう善という話じゃなくて、「罪なき乙女たちを火あぶりにしまくる過激なピューリタンの魔女狩り一派」VS「権力に庇護される堕落した貴族が黒魔術に傾倒し自ら吸血鬼と化す」っていう構図の間に双子ちゃんやハンサムが挟まってあれやこれやっていう地獄絵図なのも最高だし。これはさすが70年代さまさま。

最後のほうのゴア描写もいい。首チョンパもショッキングだけど、後にトムサヴィーニが十八番とする「頭に振り下ろされた刃物ぶっ刺さりの図」をやってる。

お色気は見えそうで見えない胸元みたいなのをずっとやってんのに最後のほうで結局おっぱいばーんって見せるんかいって感じで謎だった。ためとかじらしみたいなことだったのか……。

ラストの吸血鬼顔面朽ち果て特撮、オーソドックスに連続オーバーラップで見せてくやつなんだけど、ミイラみたいになって最終的に骸骨になる前にまず最初に一旦ハゲるのワロタ。
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