車

地元の名士フランクの元に謎の男が現れ……

彼の目的とは

雰囲気
見応えあります

妻との関係

ラスト印象に残ります

＠ シネ・ヌーヴォ ～フィルム・ノワールの世界vol.5～　　

あんなに明るく楽しそうだった家庭と家族が「ざざ…ざざ…」という足音で一気に暗くなり、演出以上の恐怖をわたしたちに植え付ける。光が現在の幸せならば、その足音と差し込む影は過去の後悔を物語っているようだった。

光と影、そして音の主張。どれだけ幸せに満ちた世界に生きていても、誰も悪くないのに誰もが傷付き、決して消えない爪痕を残すもの、それが戦争だ。過去のあなたがどんなことをしていてもわたしはあなたを愛している。愛する女のことばが彼らに届くことはなく、自らのおこないに自らが罰をくだすことでしか自らを、愛する人を救えない。これはノワールの姿を借りた反戦映画だ。素晴らしかった。そしてやるせなかった。しばらくはあの足音が耳から離れそうもない。

家庭を持ち幸せに暮らす男の所に彼の戦時中にとった行動を知る男がやってくる、というサスペンス。

どうやらナチスに仲間を売った過去を持ってたみたいですが、回想シーン等が用意されず全て台詞で説明するので把握がしにくく、家族（妻）に過去の事を隠し通せるか的な要素も期待したのですが早々とバレ、1対1の対決は終盤のみで鑑賞中睡魔に襲われたタイミングの悪さも有ってこちらの評価の高さの割には正直楽しめたわけではありませんでした。しかし怪しい過去を持つ男を影で覆うような印象に残るライティングや終盤の車の真横にしがみつきそのままクラッシュするアクションシーンは秀逸で、エンディングも考えさせるものが有りました。

ジェイミー・リー・カーティスの母で「サイコ」でもお馴染みのジャネット・リーが出演しています。