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地に堕ちた愛 完全版のTenKasSのレビュー・感想・評価

地に堕ちた愛 完全版(1984年製作の映画)
5.0
長いので、演劇の稽古をして最後に本番なんて『親密さ』みたいだなーなんて呆けた顔で若干まどろみながら観ていたのだが、後半「時間(とき)が狂っている」という一連のセリフが出てきた時に、絶対構成も舞台設定も尺も観客と映画との関係を踏まえたものじゃん!という謎の確信で覚醒した。あとでリヴェットなんだからそんなのあたりめーだろどう観ても虚実入り混じってるじゃねーかと思い直したが、もうフィクションというもの自体の認知の仕方をフィクションという枠組みで映画化している気さえした。屋敷から帰る時に何事もなかったかのように(割れた像も元通り)日常に帰るのも映画館から帰る時の自分でしかなくてよかった。上映時間が実は1週間でしたと言われてもなんか納得してしまいそう。映画内時間というのはやっぱり存在すると思う。
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