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Freaknik: The Wildest Party Never Told(原題)のプレコップのレビュー・感想・評価

3.3
1983年、アトランタの学生を中心に発生したコミュニティはブラックカルチャーのメッカになり、1990年代以降は犯罪の温床になった。

Chicのヒット曲と「ピクニック」を合わせた造語「フリークニック」。1980年代に始まり、アトランタの黒人学生によるストリートのコミュニティだったが、ヒップホップなどの音楽やファッション、食べ物などブラックカルチャーの発信地になっていく。一方でこのコミュニティではフリーセックスも拡大していき、最終的には性的暴行などの犯罪も問題になっていく。

おそらく、腰を振る女性が最も登場する映画で、「フリークニック」が下劣なムーブメントであることは痛いほど伝わるが、若い黒人たちのパワーも同時に感じる。一度は解散したこのコミュニティがまた復活するほど、黒人の人々にとっていかにフリークニックが重要なカルチャーであるかはよくわかったが、その一方で、このコミュニティが性的暴力の温床になったという明確な「敗北」の清算をせずに単なるリバイバルとして扱うことに疑問が残る。

正直、このコミュニティ自体にはさほど興味を持てなかったが、交差点を超えるのに2〜3時間かけていたアトランタオリンピック直前の交通事情がケタ違いすぎたのは面白かった。
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