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美しき仕事 4Kレストア版のUEのレビュー・感想・評価

美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)
5.0
純粋
兵士達の汗ばむ肌、筋肉、浮き出た血管。躍動する肉体と広がる海、まるで身体への賛歌。
生きる事の悦びと死の匂いが紙一重で存在してるような映画。ジブチの景色を見たアニエスゴダールは、"地球の始まりの地"もしくは"地球の終わりの地"と表現したそう。
ドニラヴァンは身体表現をやっていたらしいけど、彼を象徴する様な映画だった。
彼の胸のタトゥーが映され、彼の血管が脈を打つ時、役者ではなく1人の生身の人間がそこに生きている事を感じて、彼の身体の中にある臓器について想像してしまった。監督の人を撮る事への覚悟が本当に桁違いで、最後の踊りは多分一生脳裏に刻まれる様な気がする。

監督が登壇されてしかも質問まで出来ちゃって泣きそうになってしまった。「人間は昔から絵画で女性の身体を美しく描いてきたけど、男性の身体の美しさにそろそろ気付いてもいいと思ったの」みたいな事を目を見て話して下さった。凄く太くて強い芯を持っている方なんだろうなと話の節々や所作から伝わってきて、この人が映画を作ってる事が奇跡みたいだな…と帰りの電車でまた泣きそうになった。
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