ユキ

イカとクジラのユキのレビュー・感想・評価

イカとクジラ(2005年製作の映画)
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我が家は捻れた家族構成でこそないものの、拗らせてるところがあるので、共通点があるわけではないがほんと観てて胸がいたい映画だった。
家庭環境が人格や性格に及ぼす影響ってはかりしれないもので、個人的な話をすると成人してから自分のバックボーンについて考えるところがあり…… 自分の想像の及ばないかたちで、自分を苦しめたり、生きづらさとなって現れたりする瞬間に出会うね。そういうタイミングは身構えてようと無かろうと、やってくるときはやってくるもんで、成人だから思春期だからっていうのは関係ないんだろうね。
息子ふたりはあの幼さで結構ぶっ飛んでるので、今後どんなアイデンティティをもつのか末恐ろしいなと思う。不器用な親のもとにいる子どもにこそ、勝手にいとおしさとか仲間意識を感じてしまう。 親の顔色から何かを学び、かつ、抑えようのない自分の欲望を感じ、どうにもできない状況に適応しようと苦悩し、自覚しないうちにも何度も何かに絶望して、安っぽい快楽に浸かってみたり、悟ったふりをしたり、実際何かを悟ったり、人をこわがり人を遠ざけて人をまた求めたり。そういう自分自身の一挙一動の根っこに親の面影をみつけるときがくる。たぶん人によってタイミングは違うだろうけど、そのタイミングで人はもういちど親と家族になるんだと思う。
もし子どもを持つ人生になったら、毎日抱き締めて愛してると言いたい。ガチで。
ユキ

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