しろみさかな

イカとクジラのしろみさかなのネタバレレビュー・内容・結末

イカとクジラ(2005年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

この作品は後半にこそ意味があると思いました。前半はなんだか生々しい思春期の感じで、ちょっと嫌悪感すら覚える感覚でした。
でもそれは、思春期に自分たちが対面する性的なものへの嫌悪感に似ていました。小学生の頃、自分が生まれたのがセックスであることを知って、ゲロが出そうになったこと。そんな感覚に近しいものでした。母親が寝まくっていることを知った息子たちが可哀想でした。でも大人だから、無いこともないよなぁ…とアラサーの自分は思いました。大人になるって汚い。
長男くんは父さん子だったはずなのに、だんだん後半になるにつれて、おや?と思うのがリアルでした。でもそうだよね、結局のところ、母親と子との関係性の方が、父親と子よりも濃密で繋がりが深いと思います。次男くんは離婚に対してメソメソして、なんだか可哀想でしたが、これもとてもよくわかるのです。私も小さい頃両親が離婚しているので、とても共感しました。この世の終わりくらい悲しい出来事。
思春期の少年が大人になる姿、離婚する男と女の姿、両方のなんともいえない空気感や目に見えない感覚、これが後半とてもよく描かれていて、最後の方にやっとこの映画が好きになりました。賛否はあると思いますが、大人の疲れたみなさん、是非。
余談、母親がクズすぎて…と思っていたら、父親もドクズでした(笑)完璧を求めるわけじゃないんだけど、やっぱこういう人たちが親になったらダメだよね…と思う反面、結局大人も完璧じゃないから仕方ないよね…と思う2つの気持ちの競り合いでした。でも友達のおとんと寝る母親は嫌やなぁ(笑)
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