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蛇の道のharunomaのレビュー・感想・評価

蛇の道(2024年製作の映画)
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いつからだろうか。柴咲コウは大成するはずがないと。
『バトル・ロワイアル』『GO』『県庁の星』、そしてガリレオシリーズのリリーフ。決して『メゾン・ド・ヒミコ』ではなく
どこまでも透明に、顔に身体的な政治を刻印しえないその瞳は、一時の小泉今日子や『LOFT ロフト』の中谷美紀のようではない。
しかしなぜここまで精神科医(いつの時代の?)なのか。
黒沢さんにとって女性は精神科医なのかセラピスト濱口か。
大映ではなく、角川シリーズとなり、
なぞのアスペクト比 1:1.56 は スティーブン・ソーダーバーグのiPhone撮影映画「アンセイン」(2018)と同じ比率みたいです。いやスタンダードはAcademy ratioでやれや。

廃屋の粒子の闇のフレームと微かな昼中の外光が緑に反映するシアンの光を見るともなく、フルショットからのトラッキング、二人の男、ほぼ正面で切り返される壁の前、閾の領野、冷徹な情動の意志はこうして田村の植物的な触手として、空間を構成してみせる。

撮影はたむらまさきではなく、ダゲレオタイプの男になったみたいだ。
むしろブリュノ・デルボネルでも呼んだほうがいいだろう。

老年のいくつかの採点を反復し、ついにUSA映画を撮るこの黒沢清は、この文化芸術産業は、物語の主題にある個人と個人ではなく、あくまでも行政的な手続きでシネマが現れるのであれば、そんなものは黒沢ではありません。この人USA黒沢さんじゃありません。
獣人であれとジャン・ルノワールは言った。我々が、世界と呼んでいたものがたかがノーランイングランドが今代表して作っているとなると、もう一度十九世紀を始めなければ
エミール・ゾラではなくギ・ド・モーパッサン、Chelsea Girl
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