unko

成功したオタクのunkoのレビュー・感想・評価

成功したオタク(2021年製作の映画)
4.1
推しアイドルが性加害者になってしまったら、ファンも同罪なのか、罪の意識、自分の世界を守るため、様々なファン(事件によって超嫌いな人、事件を起こしても私は応援したい人、過去のある時期には事件が起こってないから自分で納得して応援したい人等)が事件と自分の人生に向き合うドキュメンタリー。

これは人を好きになるという部分で韓国の性被害事件に詳しくなくても共感できる。例えば、恋人、有名人や会社の上司や親戚のイケてる人何でもいいのだけど、その人がこうなったら…という観客の仮定のもと物語が進むので共感性が高い。

公開時期も納得。松本人志、水原一平、ジャニーズ、その他週刊誌など、世情と関連がありすぎる。よくこのドンピシャの公開時期で…。

物語の中で、ミディアムロングヘアの女性が登場する。
その女性は犯罪に加担した人が関わっている曲(明るくて、他者を祝うような歌詞)が好きで、友人の結婚式で歌唱すると決めていたと語る。
性犯罪の影響で、その人の当時の行動や式の曲にも犯罪が未来から反響する。何故この曲だったのか、この曲を選んだこの人は大丈夫なのか?と出席者には少なからず考えられたのではないかと、この人物が思案しているとこちらは予想できる。世知辛い。そんなつもりではなかったのに。
でもその人は最後どう述べたか。

そして、監督の母親へのインタビュー。韓国芸能界の逃げ方に言及しているのだけど。韓国のアイドルビジネスは健全ではないとは間違えなく言える。監督のインタビューでもそのことには言及しているが…。読めたら読んでほしい。

そして、最後に、いい映画なのに公開規模が小さすぎるのが残念。
まだ25歳の監督なのになかなかすごいものを撮る。
unko

unko