リンコロシネマ

COUNT ME IN 魂のリズムのリンコロシネマのレビュー・感想・評価

COUNT ME IN 魂のリズム(2021年製作の映画)
4.7
【ドラムが叩きたくなる!】

ドラムとドラマーに焦点を当てた音楽ドキュメンタリー。各界のレジェンド・ドラマーたちへのインタビューを通して、ドラムから辿る音楽の歴史とその魅力を深堀していくという内容。リンドラム(ドラムマシン)なども取り上げ、ドラムやリズムの歴史はロックの歴史のみならずポピュラーミュージックの歴史であることを実感する。

ロック好き、バンドマン、ドラマー、ドラム好きのみならず全ての音楽好きには観てほしい映画。

ドラムというリズム楽器にスポットを当てロックドラマーの証言や名ドラマー(ロック中心ではあるが)のドラミング分析など興味深い内容のオンパレード。

出演しているのは…

◆イアン・ペイス(ディープパープル)
◆チャド・スミス(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
◆ロジャー・テイラー(クイーン)
◆ ニコ・マクブレイン(アイアン・メイデン)
◆スチュワート・コープランド(ポリス)
◆ベン・サッチャー(ニコ・マクブレイン)
◆エミリー・ドーラン・デイビス(ザ・ダークネス)
◆スティーブン・パーキンス(ジェーンズ・アディクション)
◆シンディ・ブラックマン・サンタナ(レニー・クラビッツ)
◆ジム・ケルトナー(ライ・クーダーetc.)
◆サマンサ・マロニー(イーグルス・オブ・デス・メタル)
◆トッパー・ヒードン(ザ ・クラッシュ)
◆ラット・スキャビーズ(ダムド)

など錚々たる面子のインタビューに加えて、リンゴ・スター、チャーリー・ワッツ、キース・ムーン、ジョン・ボーナム、ジンジャー・ベイカーなどレジェンドのドラムスタイルを掘り下げている。

どのレジェンドの話しも興味深いのだが特に「WHO ARE YOU」と題した章でキース・ムーンがただのカオスなドラマーでないことを分析する場面は溜飲を下げる思いだった。

あとチャーリー・ワッツは「曲の初めのBPMが103なのに曲の終わり頃には109くらいになっているが“走っている”という感覚がしない」という「ホンキー・トンク・ウィメン」の話やボンゾサウンドの秘密などなど目から鱗の話ばかり!!

何といってもこの映画の中の1場面でドラムをプレゼントされた子供が大喜びしたり、ドラムを与えられた子供がドラムを叩きまくるシーンがあるのだが、ここ数年のドキュメンタリー映画の中でも屈指の名場面だと思う。

今まで聴き慣れたロックがこの映画を観た後には違う響き方をするはずである。