双生児というのは映画などでは不思議な力でつながっているように描かれることがある。もともと身体の一部を共有していた結合双生児の場合はさらにつながりが強いと考えても不思議はない。しかしなぜ死んだ方の意識は人を殺す方向に向かってしまうのだろう。エミールとダニエルはなぜ別れたのだろう。警察を糾弾していたためまともに取り合ってもらえないからと言ってグレースの行動はあまりにもホラー映画的で無計画にも一人で牙城に入っていく。こんな定番な展開なんだけど、色合いというか血飛沫と背景のコントラスト、まるで覗きをしているかのようカメラアングル、そして登場する異常な精神状態。ブライアン・デ・パルマのすべてが詰まっていました。その後フィルムをコマ撮影して監視カメラを模す「殺しのドレス」や映画業界音響係が関わる「ミッドナイトクロス」のように映像音響で楽しませてくれますが、残念ながら本作ではまだ登場しない。ケーキ屋のおばちゃんたちはちょっと不気味だったけどちょっとこじゃれたエピソードだった。その証拠のケーキをおもわず壊しちゃうのもご愛敬ですね。久しぶりに見ましたが面白かった。
