ブライアン・デ・パルマが「ファントム・オブ・パラダイス」「キャリー」「殺しのドレス」以前に撮ったカルトなサイコスリラー。
主演のマーゴット・キダーもスーパーマンの恋人ロイス・レインを演じるよりずっと前の作品です。
見るとは覗くことであり、覗くことは撮ることであるというデ・パルマ生涯のテーマはこの初期長編ですでに完成しています。
ヒッチコキアンとして名高いデ・パルマですが、ヒッチコックはデ・パルマが映画作りのフォーマットとして召喚したものです。
ヒッチコックがいたからデ・パルマは「覗く」というテーマを得た訳では無い。ヒッチコックがいてもいなくてもデ・パルマは最初から覗き屋だったのだ。
そんな妄想じみたことを考えてしまうほど本作は見るという行為に憑かれた作品です。
「悪魔のシスター」は見る見られるという関係性が冒頭からラストショットまで作品全体を貫いていて、そのオブセッションが作品の面白さと直結していますね。
また「悪魔のシスター」はスプリットスクリーンを使ったサスペンスがあまりにも有名ですが、今観るとこれは大したことはありません😅ただ作品の予算規模を考えれば、かなり無理して撮ったと思いますし、何よりもデ・パルマがここは絶対にスプリットスクリーンでいくんだ!と押し切った情熱に感動します✨
マーゴット・キダーは痛々しいほどのハマり役。
私はチャールズ・ダーニングが好きなので、儲け役で嬉しい。