SetoKC

トラペジウムのSetoKCのネタバレレビュー・内容・結末

トラペジウム(2024年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

原作未読
とてもおもしろかった。
キラキラした作品かと思ったら想像の何倍もドロドロしてた。
前半の主人公が水面下で上手く動いていたのと幸運によって淡々とお話が進みあっという間にアイドルになるのですが、ここまでは王道とはちょっと外れてるけどキラキラした青春作品といった感じでそれはそれでおもしろいです。アイドルらしくキラキラしておりライブシーンはダンスや曲も相まってとても見応えがありました。
しかし、本作の本当の姿を現すのは後半部分でした。高校生とアイドルの分業によるキャパオーバー、彼氏バレ、アイドル業界の闇、そして1番ヤバいのが主人公が次第に暴れていく様です。これが何より恐ろしかった。自身の夢の為に仲間の事を厭わない姿に驚きましたが何よりこの作品の原作・監修をしている方がアイドルの方なんですよね。こんなにもドロッドロに描いていいものなのか、度肝を抜かれました。
終盤はグループ解散により主人公がどれだけよくない性格だったのか自身を反省し、かつての仲間達とも無事に仲直りができ、数年後には各々が夢を叶えてるというハッピーエンドで終わるのですが、途中にあったギスギス展開のヤバさが心にまだ残っているのでハッピーエンドおめでとうって心から拍手できないのが辛かった。
最後までヤバさが心に残りますが、むしろそこが良い味をしている素晴らしい映画でした。
とてもおもしろかったです。
SetoKC

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