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シルバー 夢の扉のjonajonaのレビュー・感想・評価

シルバー 夢の扉(2023年製作の映画)
3.4
わるくはないけど悪くはないって感じ。

キラキラの街の裏路地に扉が無数に並んでる『夢の廊下』という場所のデザインは綺麗でわりと好きだった。あと妹ちゃんの夢の中の実寸大ドールハウスのような空間も面白くてよかった。
それ以外は夢が淡白というか、現実ともそう変わらない(海が空のところにまで伸びてたり変なのはあるけれど)絵が多くて中々。書いてて思ったけど自分は夢なのだったら全部のシーン変なものが混ざってて欲しいと思ってる節がある。大事な発見だ。

この手のジャンルはすべからくハッピーエンドのあとに『まさかこれも夢なのでは…』ていう終わり方するな。
最後まで驚かそうというサービス精神なのかもしれないけど正直蛇足に感じることの方が多いんだよな。もやっとするし…ホラーなら分かるんだけど。

ジャンルで言うとジュブナイルファンタジーだが、子供向けに配慮してか刺激弱め。
あとすぐ男衆のイケメンと恋愛関係になるけど、微妙な距離感の義理の兄もいたりして、かと思えば行方不明とされてた第三の女的なキーマンを助けるために奮闘したりと、あと父親の死に深いトラウマを抱えてたりね、あんまり誰との関係が物語の本筋なのかが掴みづらいのが難点。全部盛りで面白いのもあるのにどう違うんだろうか…

全体的に地味なのは間違いない。
夢の書や夢の廊下、扉などアイテムやスポットを設定して印象付けようとしてる意図は感じるのだが、夢ならではの過激さや人の欲というものはあまり感じなかった。
ジュブナイルといえど、『夢の書』などの設定は少し可愛らしすぎたのかもしれない。

あと主人公を利用しようとしたアナベルがどんな目的を持っていたのかが最後までよくわからんのがもやっと…
あとねあとね、氷の湖に落ちたトラウマ(厳密には父を死なせてしまったこと)を克服するラストのアナベルとの対決だけど、相手を湖に引きずりこんで今度は助け出すって事が果たして解決になってるんだろか…表面的には展開をなぞってるからそれっぽいのだが。なんか腑に落ちん。

ごめんなさいね、文句ばっかり言って

【作中の夢の特性】
◯夢だと気付くためには手を見て指の本数を数えようとするといい。異常が見られたら夢(本作ではぼやけてて数えられない)
主人公はこのやり方をインスタの怪しい動画で学ぶ。

◯夢の中には廊下に通じる緑色の扉が現れる。明晰夢が観れるとそれに気付くことも容易くなる(のかな?)。

◯夢が悪夢に変わると出られなくなる。扉が消えて出られなくなる。

◯夢の書なるものに夢のルールが記されている。(夢の書はなぜか現実にも夢の中にもある)

◯夢の廊下にある扉から他の人の夢にも入れるし覗ける。

◯彼らの中には仲間の夢は勝手にのぞいちゃいけないというローカルルールがある。

◯夢の儀式(現実で行うおまじないみたいなの)を経て他人の夢の中にも入れるようになる。

◯メイデン(生娘)と選ばれ4人の男が(なんそれ)儀式を行い夢で見た願望が現実になる。しかし同時に反動として悪夢の部分も現実になってしまう。

◯夢の緑色の扉

◯時計(アンカー?)
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