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テルマ&ルイーズ 4Kのゲルのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)
3.8
1991年の作品。
多くの場面で音楽が流れている。
80年代後半~90年代くらいの音楽が大好きな自分には夢のような時間だった。
ケニー・ロギンスが聞こえてきて心躍った。
異常にテンションの高い前半、その反動でちょっとダレたように見えてしまう惜しい中盤、暴走カーチェイスで『バニシング・ポイント』化する後半、といった構成。
お上品な作品ではないけれど、エンタメ要素も高く、たまにはこういうめちゃくちゃな展開も悪くないと思えた。
皆が同じく感じるようだが、やはり途中まではテルマのアホっぷりにがっくりと来る。
しかし、彼女はなぜか突然別人のように勇敢な行動力を見せ始める。
ハメを外しすぎたせいか、究極の状況に置かれたせいか、生まれて初めて彼女の真の姿が露呈したように見えた。
鮮やかなラストもバニシング・ポイントを彷彿とさせる。
女のプライドに賭けて、おとなしく捕まるわけにはいかなかったのだ。
テルマとルイーズの友情を超えた関係がまぶしかった。
シスターフッドの頂点と呼ぶにふさわしい作品である。

2024年に観た嘔吐シーンのある映画8本目。
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