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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)のmaverickのレビュー・感想・評価

4.3
劇場版『名探偵コナン』シリーズの27作目。2024年4月12日公開。


本作のキーパーソンは怪盗キッドと服部平次。二人をがっつり絡めつつ個々の話も独自に広げ、それぞれのファンにとっては嬉しい出来。さらにはマーベル作品のようなクロスオーバーもされており、『名探偵コナン』でありながらも、いわば青山剛昌ワールドな作品性。「このキャラとこのキャラが絡むのか!」といった、ファン歓喜の非常に贅沢な内容になっている。しかも単なるお祭り映画ではなく、今後のシリーズの方向性を大きく左右するような衝撃の事実も明かされる。今作がターニングポイントとなるような、そんな重要なポジションを担っている。スケールの大きさは言わずもがな。アクション、ミステリー共に大興奮の出来栄え。期待はしていたが、それを大きく上回る出来に大満足。マンネリなど感じさせず、今年も大ヒットは確実だ。

怪盗キッドと服部平次の対決がメイン。その間にコナンが位置するという構図。二人を立たせつつ、コナンはしっかりと主人公しているバランス性が見事だ。そこに遠山和葉、毛利蘭、さらには大岡紅葉など、それぞれに関連するキャラクターを絡めてゆく。キャラクターの登場数もかなりのもので、ファンとしてはそれらの登場だけでも嬉しい。オリジナルキャラクターも魅力的で、ゲスト声優として出演の大泉洋も上手かった。

函館を舞台とし、さらには五稜郭の土方歳三の話も盛り込む。日本人として楽しめるテーマで良い。爆破や銃撃戦、激しいカーチェイスなど、やっていることはハリウッドのエンタメ映画とほぼ同じ。子供相手に物騒な構図ではあるが、これも本シリーズの醍醐味のひとつ。邦画ではここまでのスケールの映画は作れない。観客の満足度も興行収入も支えているのが劇場版『名探偵コナン』なのだ。


近年のシリーズの中でも屈指の面白さであった。さらに盛り上がりを見せる『名探偵コナン』。この人気は天井知らずだ。今後の展開に超期待だね。
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