KaoriNaganoma

映画 ○月○日、区長になる女。のKaoriNaganomaのレビュー・感想・評価

4.8
札幌シアターキノの上映最終日に滑り込み鑑賞。
昨年の日本NPO学会で、オンライン講演された、杉並区長の岸本聡子さんを知りました。
この映画は、彼女が区長選に立候補してから50日間の選挙戦を、リアルタイムでカメラを回して追ったドキュメンタリー。

杉並区で古くから区政を変えたいと活動し彼女を擁立した市民たちと、正面からがっつり議論や対話もする。時にカメラの前で怒りややるせなさをこぼし、嘆くシーンも、ある。

そんな風に、ドキュメンタリーだからこそ、キレイゴトだけじゃない部分も映しとっている。
そういう選挙の背景も含めて、岸本さんが区長になったことはもちろん、それに留まらず、周囲にも大きな影響を与えていることに、希望を感じたし、励まされました。

監督のペヤンヌマキさんも周囲の人たちも、区政の現状や岸本さんの姿勢から、政治が自分ごとになり、だからこそ新たなアクションを起こしている。その結果、ドキュメンタリー映画が公開され、区政も変化している。今だけに留まらず、影響を受けた人たちが、杉並区だけじゃなく全国で、5年後、10年後、もっと先の未来に活躍していくだろうとも思う。

そしてこれって、政治に留まらない、あらゆることに言えるよな、と。
さまざまな問題が、少しでも「自分ごと」になれば、黙ってなどいられないし、リスクを負ってでも、声を出して進めようと動き出す。誰もが、そんな人たちから何かしら刺激を受けたり、励まされて生きていると思う。

もちろん、誰もが行動出来る・することではないにしても、せめて動き出した人の脚を引っ張るようなことはやめようよ、と言いたい。映画の中でもそんなシーンがありゲンナリしたけれど、残念ながらそういう場面、日常のあらゆるところで存在するから。
KaoriNaganoma

KaoriNaganoma