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ライラの冒険 黄金の羅針盤のKUBOのレビュー・感想・評価

3.5
海外ドラマ『ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤』鑑賞前にざっくり復習するために、公開時以来久しぶりに鑑賞。

ダニエル・クレイグに、エヴァ・グリーンに、ニコール・キッドマンに、クリストファー・リー! 改めてびっくりするのが、そのキャスティングの豪華さ! これだけの予算かけてコケたんだから、当時はたいへんだったことでしょう。

2007年の公開当時は、ハリーポッターブームの真っ只中。本作もそのファンタジーブームに乗って製作された作品のうちのひとつだ。

主人公は赤毛のアンみたいに口から生まれてきたみたいな向こうっ気の強い女の子ライラ。町では子供の誘拐事件が頻発しており、ライラの友達も行方不明に。どうやらその裏にはゴブラーという謎の組織の暗躍があるらしい。ライラは親友を探すべく、冒険の旅へ!

この世界ならではの特徴が「ダイモン」。ひとりに一つ、動物の姿をして寄り添う自らの「魂」だ。それに、パラレルワールド、それらを繋ぐ「ダスト」、言葉を話すクマ、魔女たちと、ファンタジーワールドとしての世界は万全だ。

ライラは旅の途中で出会うジプシャン族、魔女たち、鎧グマの助けを得て、悪〜いゴブラーと戦うってお話しなんだけど、かなり中途半端なところで終わる。

元々この『ライラの冒険』は文庫本で6冊。それぞれ「上・下」「上・下」の三部作で、この『黄金の羅針盤』はその第一部だ。

第一部はいかにも普通のファンタジーのような顔をして始まるから映画化には好都合なのだろうが、実際に『ライラの冒険』がおもしろくなるのは、第二部〜第三部なのだ。

第一部から出ていたダイモンやダスト、オーソリティなどが、三部作後半ではキリスト教や権威としてのカトリック教会への批判へとつながり、大きなテーマが描かれる。

本作だけだと平凡なファンタジーにしか見えず、中途半端に終わってしまうために、評価も高くないのだが、残りの第二部・第三部も作ってほしかったな〜。

続きが製作中止に追い込まれた理由は、北米カトリック連盟が「子供に対し無神論を奨励する映画だ」などとしてボイコット運動を展開したためだとされている。

海外ドラマ版は、この第二部・第三部も作られるのかな? 期待しながらドラマ版鑑賞へGo!
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