強い

ファミリー・ディナーの強いのレビュー・感想・評価

ファミリー・ディナー(2022年製作の映画)
3.3
イースターまでの1週間で栄養士の叔母宅に滞在するふっくらしたガール。ダイエット監督をしてくれる叔母はスパルタだし、従兄弟は意地悪だし、叔母の男と何だか変!

イースターの断食時期と過激なダイエット、イースターのウサギと狩猟、命をいただく復活祭。キリスト教に乗っ取ったカルトの話だが、登場人物はたったの4人(と一匹)というミニマムな作り。
話の展開は非常に分かりやすく特に捻りもないけれどずっと不穏がぐずぐずとついて回る。

腹の音以外BGMはほぼ無く、食卓以外はずっと暗い。ワンシチュエーションにしても代わり映えのしない1週間に、唯一彩りを放つ料理の数々。もう腹が減るわけ、見てるだけで!四人もいるのに一人しか食べない!クソッ!

そしてシミーの口の軽さ、浅はかさ、危機管理の乏しさにずっと突っ込まざるを得ない。取捨選択の出来なさは、お前そういうところだぞ!!と思わざるを得ない。
10代の不安定な時期の優しい大人の言葉や極限状態においての信仰とか迷走とか、非常に分かりやすいのだけど、もうさ〜とにかく行動が全部微妙にダメ過ぎて、本当に、お前そういうところだぞ!!!!!
オチは秀逸、しっかり食べてしまったシミーがペンダントを握るシーン、これからカルトに落ちていくか日常に戻れるか、楽しみですらある。狩る側に回ったのだから。

色んなツッコミがありつつも、とにかく調理と盛り付けられた皿の美しさは素晴らしかった。お腹空いてしまって、痩せる痩せない言ってるのを見ながらポテチを二袋食べました。南無三。
強い

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