三月

燃えよドラゴン 劇場公開版 4Kリマスターの三月のレビュー・感想・評価

4.3
観たような気持ちになってたけどまだ観てなかったシリーズ。
面白かった!
アクションとしても迫力があるし、映画の構成、演出、カメラワークにもこだわりが感じられて、ところどころアーティステック。劇場で見られて本当に良かったと思う。

そして全編にわたる音楽のかっこよさ。
よく聴くあのイントロからはじまる曲をはじめとする劇中音楽が、大好きなナポレオンソロやスパイ大作戦のテーマを手がけたラロ・シフリンの仕事だったとは…有名らしいのだけど、恥ずかしながら今回はじめて知った。序盤、悪役のハンの島に向かうために川を渡るシーンに流れるテーマが、ハードボイルドなスパイ映画のようでワクワクする。

ストーリーは、アクションに持ちこむための運びのようなところがあり、まぁまぁ粗いものの、主人公、悪役含めて主要キャラクターの個性が面白く、演じる方も安定感があるので、結末まで緊張感を持って観ていられる。
反面、ハンの武術トーナメントが行われる島の最初の場面で、正拳突きで鍛錬している道着の群衆の動きがぬるいなど、エキストラの気合いがユルユルで、それがそこそこ長めに映るものだから若干のストレス…笑

キャラクターとしては、謎のチャラ男、ローパーが好きだった。大したことなさそうな雰囲気なのに、動きが綺麗で強い。ジョン・サクソン氏のこういう武術アクションが見られる作品は他にもあるんだろうか…見たい。
ウィリアムスもイカした男で良かった。心優しくて、おそらく自身の過去も決して平坦なものではなかったこともそっと描かれつつの陽気なアフロ男で、好きになってしまう。「贈り物」の女の子たちの中で、逆に誰を選ばなかったのかは気にかかる。そこまで選んだなら全員いっといてほしい。

そして何よりブルース・リーの強さと華がすごい。
繰り出される技の、リアルに骨が砕かれる感。あの腕は鉄の鞭みたいなものでは…怖い…。ヌンチャク必要ないやろ…。
ブルース・リーについては、何となく、クールでストイックな孤高の武術家みたいなイメージがあったのだけど、この作品の中だけでも、穏やかだったりおちゃめだったり、ポスターにもあるような、ちょっと口を尖らせる顔が可愛らしかったりと、結構いろんな表情を見せてくれて魅力的だった。
三月

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