スワヒリ亭こゆう

罪と悪のスワヒリ亭こゆうのネタバレレビュー・内容・結末

罪と悪(2024年製作の映画)
2.2

このレビューはネタバレを含みます

とある地方の少年四人組を襲ったある事件をきっかけに少年たちの運命が狂ってしまい、大人になり道を違えた少年達が再び出会うという犯罪映画です。

2時間弱の映画です。凄く集中して没入出来ました。映画を楽しむという意味で凄く堪能出来ました。
その筈なんですけど、映画の感想を書いている今、
何だか腑に落ちない点が随所にあって考察すればするほど粗が目立ちますね😅


⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️

⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️

⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️
主人公が高良健吾、大東俊介、石田卓也なのに何で少年四人組なのか?観なくてもどうなるかは想像出来ますね。
一人の少年が河原で死んでるのが見つかる。
仲良し四人組の一人の少年だったんです。
その少年がよく遊びに行っていた怪しいおっさんがいるんです。どこの街にもいる風変わりで親は絶対に近づくな!と言われてる様なおっさんです。
そのおっさんの家にいくと死んだ友人のサッカーのスパイクがあり、おっさんが犯人だと思い、殺してしまうんです。
春(後の高良健吾)は親からDVを受けている少年でした。春は晃(後の大東俊介)や朔(後の石田卓也)を庇っておっさんの家に火を放ち自分一人で罪を背負うんです。
これがキッカケの事件なんですね。
大人になり刑事になった晃が町へ戻ってくる事で三人の時間が再び流れ出します。

序盤の少年時代のエピソードは凄く丁寧に描かれていました。少年達の行動の動機も分かりやすく整合性があります。
ですが、どこかで観た事がある内容です。
『ミスティック・リバー』と似ていると感じました。

そこから大人になってからがオリジナリティのストーリーなんですけど、粗雑なストーリーでした。
観ていて後で伏線回収があるんだと思って、粗雑なストーリーを黙認しながら観てました。
ですが観終わってから振り返ってみたら、自分の納得出来ないところだけが残ってしまいました。

例えば晃が街に戻り、刑事として事件現場にやってくる。キャバクラの様な店で少年が暴れている現場なんです。ハッキリ言って刑事が出てくる事件ではないんです。
そこに椎名桔平演じる警察の上司がやってきて一人の少年を逃すんですね。それを晃が見て町の腐敗した警察の態勢を知るというシーン。
その少年が後にもストーリーに関係してくる少年なんです。ですが椎名桔平が急に見逃した理由や晃がその少年に執着する理由が見当たらない。
後で少年がキーマンになったとしても、後付けに感じてしまいます。伏線の張り方が上手くないんです。

春の役も反社に近いグレーな感じで登場したんですけど、あんまり悪くないんです。
ヤクザと張り合うぐらいの半グレ集団にしたら良かったのに監督があんまり悪い事が思いつかなかったのかな?と思いました。オレオレ詐欺を若者を使ってやってるとか分かりやすい悪い人間にした方がストーリーも膨らむ気がしました。

ラストも少年時代に犯人だと思っていた事が覆り真犯人が出てきます。
そこも引っかかりましたね。少年時代の河原で見つかった友達と同じ様にまた河原に遺体が見つかるんです。
その少年の遺体から見つかった財布が少年時代に亡くなった友達の財布なんです。
そこから真犯人に辿り着くんですけどね…
何で財布を持っていたのか?イマイチよく分からなかった。
そうなると反抗の動悸も分かりにくい。
兎に角、登場人物の行動に動機付けが出来てなくて整合性が取れてませんでした。

もっと悪くて残酷なストーリーにして欲しかったですね。監督が悪になりきれない感じがしました。ひよってる感じが残念です。

完全に伏線を張ったシーンに関しては回収しないなど、余韻なのか?余白なのか?どっちにしても上手くなかったですね。