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タイガー 裏切りのスパイのmaroのレビュー・感想・評価

タイガー 裏切りのスパイ(2023年製作の映画)
4.0
2024年日本公開映画で面白かった順位:2/54
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★×20
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

「YRFスパイ・ユニバース」第5作目。
『タイガー』シリーズ第3作目。
いやもうすごいわ。
ボリウッドすごいわ。
『007』シリーズ(1963-)のジェームズ・ボンドも、『ミッション:インポッシブル』シリーズ(1996-)のイーサン・ハントも敵わないかもしれない超絶アクションの連続と、インド映画だからこそ描ける印パの関係性を主軸にしたストーリーが最高だった。

今や映画界において世界的潮流となりつつあるシェアード・ユニバース。
マーベルやDCが有名だけど、インドでは複数のエージェントをクロスオーバーさせる「YRFスパイ・ユニバース」(YRFとはヤシュ・ラージ・フィルムズの略でインドの映画製作会社)というのがある。
その最新作が今回の映画。
簡単に言ってしまえば、タイガー(サムラーン・カーン)と呼ばれる強力なエージェントが悪者の野望を阻止するために奔走するというのが基本的な流れ。
今回はパキスタンの首相がインドとの和平を望む中、パキスタンを支配しようとするアーティシュ(イムラーン・ハーシュミー)が、タイガーたちを罠にはめ、自らのテロ行為の罪を彼らになすりつけるよう画策するという見どころ満載のストーリー。

インドとパキスタンの関係においては、これはもう当事者であるインドだからこそ描ける内容だと思う。
アーティシュの策略でタイガーがパキスタンの平和を脅かしているという誤解が広まる中、パキスタンの首相が「実は真犯人は同じパキスタン人で、それを阻止しようとしているのがインド人である」と演説するシーンはグッとくるものがあった。
なぜなら、長らく争い続けていた相手が、自国の平和を守るために命を懸けて戦っているんだから。
国や文化を超えて人として正しいことをしようとしているタイガーに心揺さぶられるよね。

そして、この映画で一番推したいのがパターン(シャー・ルク・カーン)との共闘!!
実はそのパターンが主人公の映画『PATHAAN/パターン』(2023)でもタイガーが友情出演していて、今回はそのお返しって感じかな。
タイガーのピンチに颯爽と駆けつけ、敵をフルボッコしていく流れはメチャクチャ興奮した!!
インド映画って本当に主人公を圧倒的にかっこよく描くのがうまいのよ。
邦画だと自然になじむようにかっこよさを演出するけど、インド映画はやりすぎじゃないかってぐらいの過剰な演出で、でもそれがまた似合うんだよね、インド人に(笑)

そんなわけで、今インド映画で一番オススメのシリーズといえば、この「YRFスパイ・ユニバース」!
とにかく主人公はかっこいいし、ヒロインは鬼セクシーでボリウッド女優しか勝たん状態だし、ありえなさすぎるアクションの連続に笑っちゃうしで、もう見ごたえしかないから!
ミッドクレジットシーンでも"彼"を出して続編を匂わせるし、今後の展開に期待大!!

以下、YRFスパイ・ユニバース全作品。
『タイガー 伝説のスパイ』(2012)
『タイガー 甦る伝説のスパイ』(2017)※現時点では日本での展開なし(GWにBS12でやってたみたいだけど)。
『WAR ウォー!!』(2019)
『PATHAAN/パターン』(2023)
『タイガー 裏切りのスパイ』(2024)※本作
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