墓地の奥、あの忌まわしい秘境のルーツに触れた村人達の物語。
リブート版の前日譚。
個人的には、
「ペットセメタリーとしては0点だが、ホラー映画としては70〜80点」
という感想。
最初の映画『ペット・セメタリー』が大好きで、個人的にリブートで好みではなかった仮面の小道具要素を引っ張っているのと、ペットセメタリーの墓地設定を使いつつ見せ方としてゾンビパニック的な事をしているあたりが本当に好きになれない。
ゴア・スプラッタ描写強めなわりに殺し方がワンパターン気味とか、“ほぼ全登場人物が、変わり果てた人を見たとき思い出スロー再生を行う体質”とか、他にやや意味の分からないとか都合良い傾向の描写もノイズ。
懐古至上主義的に言うのではなく「一人の初代映画『ペット・セメタリー』好きとして」観た感想としては、
「この映画はペット・セメタリーとしてここが良かった！」
という箇所は全く無かった。
しかし、フーダニット&ホワイダニット的な箇所を勿体振らず明かして展開させていく「観客全員の思った通りのストーリーライン」を見せていく潔いつくりや、オカルト・フォークロア・ヒトコワ・グロゴア・ゾンビパニック的演出に、友情や時代背景を絡めた人間ドラマ等、一本のホラー映画としては凄まじくコンパクトかつパワフルな魅力がある。
これが“名作のリブートの前日譚として作られた”事を抜きにすれば、かなり様々な要素盛りだくさんで、インパクトあるシーン連発の、観客を楽しませてくれる誠意あるホラー映画。
ゴア系特殊メイクの感じはとても良かった。
