Nove

私たちの世界のNoveのレビュー・感想・評価

私たちの世界(2023年製作の映画)
3.7
コソボ独立の街、田舎から家出同然で出てきた、いとこ同士の二人。幼い頃から姉妹のように過ごしていた二人は、大学で英語を学んで今までの生活から抜け出すこと望んでいる。
しかし、大学に来てみると、希望する英文科には入れれず、講義をする教師もいない。
若者たちは、行き場のない怒りを大学にぶつけるが、何も解決しない。
仲の良い二人も、それぞれ別々の行動が多くなる。
先が見えない状況で、UNも助けにはならない。
違う道を歩みだす二人は、お互いに理解しあえなくなる。
「家族だから貴方を守る」
「私は夢を追いかけたい」
どちらが正しいではない。
選択は各自の自由で、そこで何をするかが大切だ。
しかし、その夢は大きな力によって立ちふさがれていく。
この状況を映像だけで、理解した積もりにはなれない。
ただ分かるのは、世界には生まれた国によって、大きな困難を背負っている若者がたくさんいるということである。
ラストカットの鋭さが、先の見えない明日とリンクする。

東京国際映画祭2023にて
Nove

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