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オールド・フォックス 11歳の選択のchiのレビュー・感想・評価

3.7
シャオ・ヤーチュエン監督と門脇麦の舞台挨拶付き試写会で鑑賞させていただきました。1990年代台湾が舞台の台湾映画。門脇麦も日本人役ではなく台湾人役。

ある夢を叶えたいと思う少年が主人公の話。私自身の感覚ではそのようなことを叶えたいと思ったことがないので共感はできなかったが、貧しい人とお金持ちを出してそれを善人悪人と単純化しないところは好感。単純な話じゃないので少年役も難しい役どころだと思うが、好演していたと思う。目が良い。
本作で特にすごいと思ったのが貧しさ、倹約ぶりの描写。少年がお風呂に入ってる時に、そろそろ洗い終わる頃になると(まだ洗い終わっていない)、途中でガスを切りに行く。この描写が劇中複数回出てくるのだが、これほどリアルな倹約描写は初めて見た。ガス止めに行かなかったね、こんなの意味がないんだ!と言うキツネとの出会いで変化していく様もこのシーンの変化で描けて、すごいシーンだと思ったし好きだった。
カッターの刃のシーンも好き。小さなところに人柄って出るし、親を見て子が育つんだな。

丸の内TOEIにて。
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