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バティモン5 望まれざる者のmhのレビュー・感想・評価

バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)
3.9
5/2連休前の夕方からの試写会に当たり、行って来ました。

この試写会、ラジ・リ監督の「レ・ミゼラブル」と新作「バティモン5」を2本立てで観るという試写会でした。

ちなみにタイトルは一緒ですが、レミゼはミュージカルで有名なあの話ではないです。

まずは「レ・ミゼラブル」から。
これ配信もやってない作品らしく貴重な機会でした。

犯罪多発地区のパリ郊外を舞台に警察に新しく赴任してきた男とそこを仕切る男達、そして団地に住む子どもたちとのバトルといったお話です。
警官が1人の子どもにゴム弾を誤射してしまったことから物語はあらぬ方へ展開して行きます。

間にトークを挟んで、「バティモン5」
こちらも同じくパリ郊外の黒人の移民が住む団地が舞台。

こちらは主人公は女性で対市長と市長が率いる警察とのバトルとなります。

レミゼラブルに出て来た役者がこちらにも出てるので見たことある人はそれも楽しめるかも。

このお話がどちらも監督の体験が元になってるそうです。

フランス映画というと何か綺麗でオシャレなものばかり想像しますが、移民の多い国なので、郊外にはこんな街もあるんだなと、フランスの裏の顔を知ってしまった気分です。

どちらの作品も緊迫感すごい。いつやられるかみたいな。終始その怖さがあるので見ていてずっと力が入っちゃうし、集中力が途切れないので、観た後どっと疲れちゃったんですよ。各105分の尺なので長くはないんですけどね。

眠くなるかと心配しましたが、それどころじゃなかった。

どちらの作品もすごく鬼気迫るものがあり鑑賞出来て良かったです。

女性が主人公になってバティモン5の方が幾分洗練された印象はありましたが、それでもメッセージ性は変わらず非常に強く、ビシバシと伝わるものがすごかったです。

監督がオンラインでトーク予定でしたが都合により急遽自撮り録画のメッセージに変更になりました。

代わりに急遽登壇された映画ライターISOさんと司会の奥浜レイラさんのトークでした。

監督さんはとってもお忙しい方のようで、映画制作にも映画学校作ったりと積極的とのこと。
フランス映画界はお金持ちの方が映画を作っていてなかなか斬り込みが難しいとご自分で学校を作ったのだとか。
ざくっというとそんな興味深いお話も聞けてトークコーナーもとても良かったです。

2本タダで観れるって試写会って本当ありがたいですね。

2本観るとかなりの疲労感でしたが、観れて良かった。

パリ郊外で起こっていることを是非その眼でご覧下さい。
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