「遺書があるでしょう」
「そんな物ございません……」
「なかったら書いたらどうです?」
アメリカの謀略に翻弄される占領下の日本と、その暗部に踏み込んでいった人々の“熱さ”を描いた力作。
史料映像を交えながら進行するドラマは見応えがあり、熊井啓の演出も決して悪くなかったと思う。
しかし、仲代達矢がクドい。クドすぎた。
目をひん剥いての芝居がずーっと続く。熱演であることは認めるが、この長尺ではそれも食傷気味。
明らかな事実と作劇上の創作の部分の線引きが曖昧になっていることにも注意しなければならないだろう。