kyameru

アメリカン・フィクションのkyameruのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.8
好きな題材、お母さんの顔とブーケを取るランダル(this is us)が可愛い。

ネタバレ的にいえば、この作品の作品内作品(脚本の中の世界が現実のように進行し、またそれも脚本かもしれない)という構造、この構造自体が白人が”免責”されるためのトリックになっている。「フィクションですよ、コメディですよ、という殻に包まないと俺らは俺らが言いたいことも言えない」という構造自体を皮肉っぽく表現したのだろう、と思う。でも同時にこの作品内作品という構造によってインパクトが失われている感じ(ブルーラベルのジャックダニエル化)もした。そしてこの作品がアカデミー賞に選ばれる。そして白人は免責される。その繰り返し。やんなっちゃうね。

シンタラは言う。「私はリサーチいっぱいやった。」→こんな奴らばっかりだ。監督のアジア人助手への対応、非常によかった。クズはクズでいてください。あとアメリカの老人ホームが少し見れてよかった。面白かったけど、後半もうちょいエグッて欲しいとも思った。選考会の昼食の会話が良かった。最初の授業で出て行った女の子よかった。僕があの教室にいたら出て行った瞬間めっちゃ笑っちゃうと思う。

確かにアメリカで少し人と関わるとこんなやつばっかだ。表面的で馬鹿ばっかりなんよ、でも世界の中心なんよ、そういうもんやん。ガザのデモは大事だけど、なんで今まで何もしてなかったのに急にはじめて自分たちは世界を動かせると思ってるの?いつまで自分たちの声は他の国の声とは違うの?もちろんそれでガザが止まるなら本当にいい、だけどまたアメリカ人が俺たちの正義で勝ち取ったなんて思わないでほしい。急に初めて急に広がる、それで急に何かを変えられる、そんなことが屈折なく信じられる世界に生きる人たちは良いですね!
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