芋

アメリカン・フィクションの芋のレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.3
モンクとシンタラの論理バトルが機知に富んでいて楽しい。現代的なテーマでありながら軽快なジャズとユーモラスな登場人物のおかげで全体的に柔らかな空気が漂っている。あと、絶対にここで終わるんだろうなって場面で終わるから読後感がめちゃくちゃ気持ち良かった

リアルって一つじゃないのに、恣意的に選んだ黒人のリアルが評価されるのがおぞましい。エンタメは差別や偏見を再生産する存在になりかねない。エンタメの影響力の大きさを認識しているモンクは非常に素晴らしい作家である

本作もいわゆる黒人のエンタメになるわけだが、みんな普通に生活を送っているのが良い。当たり前のように医者、弁護士、ゲイがいて、家政婦と警官が恋に落ちて、踊って、プールではしゃいで、母親は良質な介護を受けている。本作こそ、モンクが求めていたレプリゼンテーションを大切にした作品なんだろうなと感じた
芋