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JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】のメルのレビュー・感想・評価

3.9
ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺をテーマにした「JFK」から30年以上経ての、このドキュメンタリー。
「悪は必ず現れる」と「JFK」の中のケビン・コスナーの台詞のとおり、オリヴァー・ストーン監督の綿密な調査と彼の執念に圧倒される。

今では国民の4分の3がオズワイルド犯人説に懐疑的だという。

日本でも何度も流されたあの映像、妻のジャクリーヌが飛ばされたケネディの頭部の一部を咄嗟に掻き集めようと車の後部に体を伸ばす姿。あの映像は時間が過ぎればすぎる程、弾の方向など当時の発表が嘘くさく感じられる。

権力や圧力によって真実は捻じ曲げられ隠蔽されてきた。その証拠の山に驚く。
政治を陰で牛耳る者たち、メディアがその片棒を担ぐ。
国民から支持されたケネディの反戦主義を快く思わない権力者が意外にも多かったということか。
戦争好きなアメリカという印象は未だに消えてない。

どんなに悲惨な無差別事件が起きても、銃規制が進まない現実もその一面かもと思う。

ロバート・ケネディ・ジュニアが後半にインタビューに答えているが、声が父親のボビーによく似ていて、語るその内容に思わず胸が詰まった。
そして、公民権運動についてのケネディのメッセージは今でも心の中に強く響いた。

上映終了間近、滑り込みでスクリーンで観られて良かったと思える作品でした。
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