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雪山の絆のyumeayuのレビュー・感想・評価

雪山の絆(2023年製作の映画)
3.5
"生きる"

1972年。ウルグアイのラグビー選手団を乗せてチリへ向かっていた軍用機機が、アンデス山脈に墜落。乗客45名のうち生き残った29名は、想像を絶する過酷な環境のなかに取り残されてしまう。救出も絶望の中、生きるために彼らの取った行動とは…。

本作は、雪山で72日間を生き抜いたという、1972年の「ウルグアイ空軍機571便遭難事故」 が元となっている。

この事故は、すでに90年代にイーサン・ホーク主演の『生きてこそ』で映像化されている。本作も大筋では『生きてこそ』と変わらないが、両方とも見た感想としては、本作の方がより生存者たちの絆にスポットが当てられてあるように感じた。
徐々に食料が無くなっていく環境と、日に日に死が迫ってくる恐怖と対峙する生存者たちの姿も、本作の方がよりリアルに感じられた。

そして、さすがラグビーチームというべきか、生存者の誰もが身勝手なことはせずにフォアザチームの精神で、仲間達のことを常に考えて行動しているのは立派だと思った。
それ故に、そんな彼らが生きるために下した決断には、相当な覚悟があったのだと思う。

あまりにも有名な事件なので当然結末は知っていていたが、それでも生き残った者たちの壮絶な姿を見て、改めて生還できたことは当事者たちの生への執念の結果だと感じた。
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