ペコ

雪山の絆のペコのレビュー・感想・評価

雪山の絆(2023年製作の映画)
4.2
1972年に起きたウルグアイ空軍機の墜落事故を映画化した本作。本作を観るまで、事故のことは知りませんでした。極寒の雪山の想像を絶する状態の中でなんと72日間も生き延びたことに驚きました。これは悲劇なのか、奇跡なのか…。観た人によって捉え方が変わってきそう。冒頭の墜落シーンの恐ろしいこと。「ファイナル・デスティネーション」を思い出させる怖さを感じました。墜落シーンも雪山のシーンも、映像の迫力が圧巻!
墜落しただけでも絶望なのに、そこから次々と降りかかる絶望。生き残るためには仲間の人肉を食べなければいけない。「死んだら自分を食べてくれ…」なんて言いたくもないし聞きたくもない。こんな環境で自分なら正しい判断や決断ができるだろうか。ほとんど機内か機外しか映していないのに2時間半、全く飽きることなく緊張感と絶望感が続く展開は見事でした。そして自然の恐ろしさを改めて感じさせられました。諦めずに仲間たちと支え合う姿に最後はウルっときてしまった。生と死を分ける境界とは何か。「英雄」の定義とは何か。“絆”という一文字では語れないほどの重厚な作品でした。
ペコ

ペコ