ドント

ほんとにあった!呪いのビデオ104のドントのレビュー・感想・評価

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 2023年。記念すべき100巻のリリースを来月に控え、迎えましたる104巻。順序がおかしいけど気にしないでね。先にまとめると、「鬼女の山」完結編を収めているもののどうにもこうにもピリッとしない巻で困った。
 歌があんまり上手くないのに朗々と歌うおじさんを恨む霊としか思えない「発表会」、人怖とオーソドックスな映りこみの合わせ技でこれはよかった「形代」、味はないけど米国の映像はたぶん初なのでめでたいかもしれない「NY市街」。
 確かにデカいのだろうが言われてみないとデカいのがわからないためあまり怖くない「ロープウェイ」、かなり足がボキッていたのでちょっと笑っちゃった「サッカー観戦」と、小粒も小粒、ちーっちゃいのが並んでいる。良品が揃う中で「形代」とかが挟まっていたらオッ!いいね古典的で!と思えたろう。しかし全体がちんまいので底上げには繋がらないのであった。
 とは言うものの、そして続編モノであるけれども、「続・海を歩く足」はよかった。102巻にあった印象的なビデオにYouTuberを噛ませて不安な奥行きを出す、というのは、保守的な大御所たるほん呪にしてはなかなか新しい試みではないだろうか。繋がりもなんだかモヤモヤしていて、とにかくあらへんの海辺がやべぇということしかわからないあたりが好印象だった。こういうトライは幾度もしてもらいたいと思う。
 ついに完結「鬼女の山」は、ビニールハウスにヌッと現れる男(この出方にはビックリさせられた。さりげないのが素晴らしい)、燃え潰れた人形の禍々しさ、スーパー怯えまくるスタッフなど見所はあれども、前編中編と膨らんで高めに浮かんだ期待があまりよい場所に着地しなくて、出てくる映像もあまりグッと来ず、そうかい? となってしまった。長編はやっぱり畳み方が難しいッスね。なお霊障映像に英語字幕がついており、ほん呪世界進出への期待が高まる一本でもあった。
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