mende

真昼の女のmendeのレビュー・感想・評価

真昼の女(2023年製作の映画)
3.0
東京国際映画祭で。
自由に生きてきたユダヤ人女性が、ナチス政権下で名前を奪われて生きざるをえず……。

長編小説の映画化は、ストーリーを追うのが精一杯で、2時間におさめるにはダイジェストのようになりがち。今作はこんなに波瀾万丈な話なのに、メリハリが少なく、冗長に見えてしまった。

第一次大戦後、主人公のヘレーネが若いころは、精神に異常をきたしてしまた母親の問題などはありながらも、それなりに裕福で、大戦間の自由を謳歌し、医師になりたりという夢を抱き、優しい恋人もいた。
ナチスが台頭してくると、一転して生きづらくなる。前半とは明確に対照的に不幸。主人公から笑顔が消える。

思い切って後半だけにして、なぜ息子を手放したかのかということに焦点を絞ってもよかったのではないか。
題材そのものは面白いし、アイデンティティや人権、人とのつながりを喪失する過程やナチスの優生思想、女性差別など見どころは多い。
映像化するなら、ネットフリックスに企画書を持っていってドラマかミニシリーズにしたほうがよかったんじゃないかな。
mende

mende