リンコロシネマ

アイアンクローのリンコロシネマのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
4.4
鉄の爪を必殺技に世界を震撼させたフリッツ・フォン・エリック。幼少の頃フリッツ・フォン・エリックがジャイアント馬場にアイアンクローをかけエリックの爪が馬場のこめかみに食い込み馬場のこめかみから血が滴り落ちる様子がテレビに映し出された。ヒール(悪役)だったフリッツの凄味のある形相に幼かった私は戦慄し以後しばらくトラウマとなった。

それからしばらくしてフリッツ・フォン・エリックの息子たちケビン、デビッドが、続いてケリーも来日した姿を見た時親父ほどの重みはないものの素軽く跳躍した技を駆使して新しいファンも魅了した。

そんな矢先に相次ぐ悲報が届く…すでにサラリーマンだった私はプロレス好きの会社の同僚とそのニュースに悲しんだ。

この映画はそんな「呪われた一家」の物語。

ネットも発達してない時代に海の向こうで起こっていた悲劇が数十年後にあからさまになったような感じとでも言おうか。観終えた後はなんとも言えない気持ちになった。

昭和プロレス好きにはフォン・エリック兄弟はもとよりリック・フレアーやハーリー・レイスなど往年の名レスラーのちょっとした仕草が“まんま”再現されているのでノスタルジーに浸れるだろうしプロレスに関心のない人には“ある家族”に起こった悲劇が実際に起こった真実であることに驚愕するだろう。