一時アイアンクローごっこが友だち同士で流行ったことがあった。
致命的に手が小さく、握力も弱かった私。
握力を強くしようとトレーニングを開始したが、三日坊主だった遠く苦い記憶...
「そんな遊びでクロー(苦労)することはない」
すぐにアイアンクローごっこも廃れてしまったのだ。
父の「野望」という強烈な見えない「アイアンクロー(鉄の爪)」にがんじがらめになった「呪われた」プロレス兄弟たちの物語
これは遊びなんかじゃない。
ガチで本気で抜け出せない必殺技のアイアンクローだ。
自分の果たせなかった夢を子どもたちに押し付ける毒父。
父に愛されようと自分の夢にすり替えて努力する兄弟たち。
「問題は兄弟で解決しなさい」
宗教心はあっても兄弟に寄り添えない母親。
一見、家族愛の強い幸せそうな一族。
だが、「呪い」の根源は歪んだ家族の関係から生み出されたのかもしれない。
期待に応えようとするあまりに強い承認欲求とプレッシャーが、不幸の連鎖の引き鉄になったのだろうか。
彼岸で寄り添う兄弟たちの、プレッシャーから解放されたなんと穏やかで優しい笑顔よ。
そして父の呪縛から解放され、自立し生き残る兄弟。
自分だけの家族が彼を支えてくれた。
有名プロレス一家の悲劇は、いまもどこかの家族でひっそり起こっていることかもしれない。
親の役割は子どもを自立させること。
子どもを自分の夢の代替え品として縛り付けてはいけないのだ。
余談
ええ、まさかまさかのリリー・ジェームズ⁉︎
彼女が出演してるの知らんかったよ。
望外のことに歓喜!
彼女の存在こそ悲劇の中の光!
実際には、この物語の中の彼女には違和感を感じていたのも事実なのですが...
レスラー役づくり凄かったですね。
ハリー・レイスとリック・フレアーが笑っちゃうくらい挑発的にお気に入り。
あ、A24だ